アカペラのパートは何種類? – 全パートの役割まとめ

こんにちは、アカペラブロガーしげです!
ハモネプやアカペラグループの演奏を聴いていると「リード」や「コーラス」という言葉が頻繁に出てきます。
これらは一体どういう意味なのでしょうか。
本記事では、アカペラの主要なパートについて、それぞれのパートがどんな役割を担っていて、どんな特徴があるのかを見ていきたいと思います。
目次にも載せておきますので、気になるパートから読んでみてください。
目次
アカペラの主要パートは6つ
一般的なアカペラグループは、5~6人で構成されています。人の声だけで「メロディ」「ハーモニー」「リズム」を分担して表現するには、そのくらいの人数が必要だからです。
先ほどの「リード」「コーラス」というのは、音楽のどの部分を担当しているかの名前を指しています。アカペラでは、パートと呼んでいますが、リードやコーラスというのは、そのパートの名前のことを指します。
アカペラの主なパート6つ
- リードボーカル
- ソプラノ(ファースト)
- アルト(セカンド)
- テナー or バリトン(サード)
- ベース
- パーカッション(ボイパ)
※5人の場合は、パーカッションがいないか、②~④にあたるコーラスパートを一人減らします。
アカペラのパートの役割・解説
それでは、アカペラのパートについて解説していきます。
個人的な見解ですが、それぞれのパートにどんな人が向いているのかもまとめていますので、パート分けの参考にしてもらえればと思います。
メインボーカル=リード(リードボーカル)
アカペラに限らず楽器のバンドでも最も目立ち、グループを引っ張っていく存在であるメインボーカルのことを、アカペラではリード、あるいはリードボーカルといいます。
なんといってもアカペラの花形は、このリードボーカルです。
主に「主旋律・メロディ」を担当し、この人が上手いかどうか、味があるかどうかでグループの出来を左右するといっても過言ではありません。
一般的には「歌が上手い人」が担当することが多いと思います。
ですが、上手くはなくても心に響く歌を歌う人はたくさんいます。趣味でアカペラを楽しむのであれば、むしろ技術的なことよりも、精一杯練習して、心を込めて歌っている姿に人は感動するものです。
リードに向いているのは、歌が上手いだけでなく、
- 曲に思い入れが強く、自分で歌ってみたいと思える
- 人前に立つのが好き
- 人を楽しませるのが好き
- 演劇やミュージカルなど、舞台が好き
そんな人が向いているのではないでしょうか。
アカペラの醍醐味、コーラス
続いては、「ハーモニー」を作るパート、コーラスです。コーラス隊と呼んだりもしますね。
コーラスは、それぞれの声の高さ(=音域)によって名前がつけられています。小学校の合唱の授業で習ったのと、名前や意味は同じですので、それほど難しく感じることはないと思います。
・ソプラノ(ファースト・トップ)
女声の一番高い音域のことを「ソプラノ」といいます。
アカペラの楽譜では一番上に書かれるので「ファースト」や「トップ」とも呼ばれます。
高い音というのは、よく聞こえやすいという特徴を持っており、アカペラではその特性を活かして、第二の主旋律・裏メロディを担当することも多いパートです。リードボーカルに次いで、曲の出来を左右する大事なパート。
ソプラノに向いている人は、
- 声が大きい、よく通る
- 目立つのが苦でない、むしろ好き
- ファルセット(=裏声)が得意
- まわりの人から声がきれいといわれる
そんな人が向いていると思います。
・アルト(セカンド)
女声の中間~やや低めの音域を担当するのが「アルト」パートです。
アカペラでは、「セカンド」とも呼ばれます。
リード、ソプラノがメロディ気質だったのに対して、このアルトパートは、THE・ハモリパートといえると思います。
リードボーカルに対して、同じ旋律でハモる(例:DREAMS COME TRUEの後ろで聞こえてくるハモリパート)だったり、テナーやバリトンと一緒にハーモニーを作ったりします。
臨時記号が出てくることも多く、ハーモニーの中では非常に”オイシイ”役回りが多いのが、このアルトパートです。
アルトに向いているのは、
- ハモるのが好き、得意
- 縁の下の力持ちにカッコよさを感じる
- 周囲の状況に合わせて気を利かせられる
- ムーディーな曲が好き
そんな人が向いています。
・テナー(サード)
さて、ここからは男声パートです。男声の高~中音域のパートを「テナー」
アカペラでは「サード」とも呼びます。
テナーもアルトと同じく、和音を作るハーモニー気質が比較的強いパートですが、混声グループの場合、テナーは和音だけでなく主旋律を担当する瞬間も多くなるので、ある意味では一番難易度が高く、アカペラの面白さを一番感じることが出来るパートともいえるかもしれません。
そんなテナーに向いているのは、
- ハモるのが好き、得意
- 音域が広く、高い音も比較的気持ちよく歌える
- カラオケではよくバラードを歌う
そんな人が向いているのではないでしょうか。
・補足:バリトン(フォース)
男声の中~低音域を担当するパートを「バリトン」といいます。
アカペラでは「フォース」とも呼ばれています。
バリトンはどちらかというとベースに近い役割が多く、ハーモニーを作るというよりは、ハーモニーの基礎を作る役割を担います。ただ実際は、あまりテナーとバリトンを区別している場面は少ないです。
前述のとおり、現代のアカペラは、①リード ②ソプラノ ③アルト ④テナー(or バリトン) ⑤ベース ⑥パーカッション、の6人編成が主流です。5人の場合は、パーカッションがいないか、②~④にあたるコーラスパートを一人減らします。
グループによっては、ソプラノ・テナー・バリトンという編成ももちろんありますが、テナーがアルト的な役割を担ったりして、和音を成立させている場合も多いからです。
バリトンに向いているのは、
- 声に芯があり、しっかりしている
- 福山雅治など、低音ボイスに定評がある
- 耳が良い、まわりの音につられにくい
そんな人が向いていると思います。
自分の声の高さがわからない、あるいはどうつたえていいのかわからない方は、以下の記事が参考にしてみてください。

玄人好み、ベース
さて、ここまではコーラスパートを、それぞれの音域毎に見てきました。
続いてはベースボーカルです。低音域を担当し、楽譜は基本ヘ音記号で書かれています。
リードがメロディ、コーラスがハーモニーを担当しているのに対して、ベースは「ハーモニー」と「リズム」の両方を担う超重要なパートです。
ちょっと聞き取りずらいかもしれませんが、一番低い音で”バルっドゥンドゥン”と歌っているのがベースです。
実はベースは、リードボーカルと同じくらい曲の出来を左右するといっても過言ではありません。そのため、ベースに向いている人というのは、
- 声が低い、低音が出せる(出来ればヘ音のファ~ミくらいまで)
- リズム感がある(と、言われる)
- 人に言われるより、自分で何かを作る・生み出すのが好き
- 縁の下の力持ちにカッコよさを感じる
そんな人が向いていると思います。非常に貴重な存在です。

職人芸、ボイスパーカッション
続いてボイスパーカッション。いわゆる”ボイパ”と呼ばれるパートです。
ボイパは、楽器バンドでいうところのドラムを担当しており、曲全体の「リズム」や「グルーヴ」を作ります。
日本では、ハモネプで有名になった、このボイスパーカッション。プロアカペラグループRAG FAIRの”おっくん”をはじめ、最近ではDaichi、ヒカキン、SHOW-GOなどもヒューマンビートボックスで有名ですね。
このパートは、まずパーカッションの音を鳴らせるようになるところから始まって、そのあとはひたすら自己研鑽あるのみ!という、職人気質の高いパートです。
だからこそ派手で目立てるパートともいえますよ!
ボイスパーカッションには、
- 人と違ったことをしたい
- リズム感がある(と、言われる)
- 物事にこだわりを持って取り組める
- 努力家
そんな人が向いています。簡単に出来るわけではありませんが、練習すれば必ず誰でも出来るようになります。ぜひ挑戦してみてください。
まとめ
それでは本記事のまとめです。
- アカペラの主なパートは6つに分けられる
- それぞれメロディ、ハーモニー、リズムを担当
- パートの特徴、役割と自分の音域を理解して選ぶとよい
最後は、今回ご紹介した各パートの”オイシイところ”をあますところなく感じることが出来る、海外のアーティスト”Club For Five”の映像を紹介して終わりにしたいと思います。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。