「指揮者は自分の解釈で音楽を創っていく存在」しげが思う指揮者の面白さ

こんにちは、しげです。
前回の記事『「ボイパは指揮者」加入4年目で気づいたその真意とは』では、ボイパが担うべき役割について、しげなりの考えをまとめました。
第二弾の今回は、ぷっちだるメンバーの指揮を見て感じた指揮の面白さについて、まとめたいと思います。
関西中心に活動する男声6人の総合エンターテイメントグループ。同じ大学を卒業した5人が、高崎だるま市で再会したことをきっかけに結成。2012年、Kと運命的に出会い今に至ります。だるま落としを得意としています。大統一理論に基づき、今宵も世界平和のために歌います。
今回も聞き手:しげ、話し手:しげの自作自演でお送りします。
前回:指揮者=指示出し役
−−「ボイパは指揮者」の回では、指揮者とは指示を出す存在というお話でした

図1:前回の内容を図解したもの
−−簡単に説明をお願いします

色々な意見があると思いますが、例えばリードボーカルは最も目立つ存在なので、左端においてます。曲の中でハーモニーに溶ける瞬間もあれば、基本は独自パートともいえると思うので、上下でいうと真ん中です。
−−この図では、ボイパは独自のポジション×自分が目立つパートになっていますね

もちろん、パーカッションパートでも、コーラスに溶けるイメージで演られる方もいると思いますが、和音という意味で真にハーモニーの一部にはならないので、ここにおかせてもらってます。
−−なるほど。ここからボイパが指揮者になるにはどうすればよいのでしょうか

こんな風にポジショニングが変わります。
図2:ボイパ=指揮者な状態
図3:指揮者からメンバーへの指示出し
同じ大学出身でも指揮は人それぞれ違う
−−ここからもう少し踏み込んで、指揮の面白さについてお話を伺いたいのですが、

−−そう言わずにw 合唱はよくご覧になるのですか?

−−その中でも「指揮者って面白い!」と感じられたのは、どんなところですか?

−−リードボーカル:ふじきゅうさん、トップ:あずささん、サード:淳さんですね

同じ合唱団に所属して、同じ文化で育ったはずの三人なんですが、曲の捉え方や指揮のスタイルはまるで違っているんです。
公式サイト:ぷっちだる オフィシャルウェブサイト ~メンバ紹介~
−−具体的にどのように違うのでしょうか

−−パッションw

- まず楽曲について研究して理解する
- そこから自分なりの解釈して
- 周りに伝わるように指示を出す
というステップがあると思うんですが、その解釈と指示の出し方に指揮者の個性が出てるように感じます。
解釈と指示の出し方に個性が出る
−−理解の次に解釈というステップがあるんですね

その曲がいつ頃書かれていて、どんな背景があって、作者は誰で、どんなメッセージがあって、どう感じてほしくて、楽譜に残された記号はどうなってて、全体の抑揚はどうでこうで、、という事実をきちんと把握するのが理解。
これに関しては、ある程度答えがあるような気もします。
−−確かに、合唱の楽譜は音楽記号などもきちんと書かれている印象があります

もっと音楽的なことでいえば、なぜここはピアニッシモが書かれているのか、ピアノじゃだめだったのか、ピアニッシモと書かれたフレーズは、どのくらいのピアニッシモが妥当なのか。
このデクレッシェンドには、なにか意味があるんじゃないか、そういうことを考える。
その曲で作者が伝えたかったことを読み解いて、それを作者はどう表現しようとしていたのか、自分なりの解を出そうとすること。それが解釈ですね。
これには本当に正解がなくて、人によって違ってくるはずです。
−−同じ楽譜でも、それをどう解釈するかによって、微妙に仕上がりが変わるということですね

−−そんなに変わるんですか?

例えば、ふじきゅうさんは文系っぽいと言いましたが、前回の演奏会を見たときの指揮には物語性を感じました。
実際の演奏からも、何かを訴えかけるような強い想いを感じたのを覚えています。
−−指揮で物語ですか?

指揮の振り方にも表れていたように思います。
曲全体の起承転結とその時々の風景、感情の動き、セリフの言い方(実際はセリフではなく歌の一部なんですが)、指揮者の表情に至るまで細かい表現を通して「ここはこういう場面なんだ!!」っていう、何かを語りかけてくるような印象を受けました。
−−すごいですね。あずささんはどんな指揮だったのでしょう

例えば、高音を長く伸ばすフレーズがあったんですが「もっと細く!でも弱くならないで、ここまで!ここまで伸ばして……そう!!!」みたいな、指揮なんだけど、歌唱指導のような指揮、という印象を受けました。
結果的に、起承転結やメッセージ性はもちろん伝わるんですが、文系的か理系的か、そこにたどり着くまでのアプローチが人によって違うように感じましたね。
指揮者をタイプ分けしてみる
−−他にも色々なタイプの指揮者がいるのでしょうか

本当は合唱を経験されている方に、きちんと考えてもらうのが良いと思うのですが、あえて書くとしたらこんな感じでしょうか…?
図5:指揮者のタイプ別マッピング
−−マッピングですね

ただ、この図では淳さんをマッピングする場所がないですね。淳さんはパッションタイプと言いましたが、もはや指揮者を逸した存在なのかもしれません。
−− …
指揮者の面白さは、自分で音楽を創っていけること
−−指揮者によって、曲の解釈や演奏が変わるというのは”合唱の面白さ”ともいえるかもしれません

−−最後に改めて、しげさんが思う”指揮者の面白さ”について教えてください

アカペラでも解釈の違いや、ちょっとした意識の差で、演奏がガラッと変わって、新しい魅力に気づくなんてことは大いにあります。
それを起こせるのは、全体をまとめつつ、自分で音楽を創っていけるポジションだからこその面白味なのかな思いますね。
−−余談ですが、練習中にこんなにしゃべるパーカッションはいない、と言われたそうですね

けど実際そうですね、それはやっぱり僕が自分で音楽・ステージを創っていきたいと思うからです。
自分の解釈はきちんとメンバーと共有しないといけないと思っていて、それで結果的に、僕のパーカッションでメンバーがいつもより少しでも楽しそうに歌ってくれたりとか、お客さんがいつもよりノッてくれたりとか、それが上手くいったときが最高に楽しいじゃないですか。
僕はたぶん、その瞬間が楽しくて、いまだにアカペラをやめられないんだと思います。
−−ありがとうございます。ちなみに、今後指揮者に挑戦する予定などは…

あの三人が見ている前で指揮をふるなんて、絶対イヤです!!
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ふじきゅうさん、あずささんの指揮を見て、そのすごさにあまりにも感動したので、その時に感じた指揮者の面白さについて、しげなりにまとめてみました。
アカペラグループには指揮者はいませんが、一度自分なりの解釈を準備して、メンバーにぶつけてみて、それに向けて頑張ってみるのも面白いのではないでしょうか。
指揮者のように、音楽を創っていく面白さに気付けるかもしれませんよ。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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