1.アカペラ上達のネタ

アカペラのリードが下手に聞こえてしまう理由

リードボーカルといえば、アカペラの花形。お客さんの視線を一身に集め、会場を沸かせることができるパートです。

 

アカペラグループでは、通常楽器バンドとは異なり、リードボーカルを固定しない場合が多く、もちろんメインのリード担当はいると思いますが、一つのライブの中で、その人以外は全くリードを取らない、というのは少ないと思います。

 

本記事では、

  • 今度初めてリードボーカルをやることになった
  • 流れでリードをやることになったけど、どうしていいかわからない
  • 普段からリードを担当しているけれど、もっと上手くなるコツを知りたい

 

そんな、アカペラのリードが上手くなりたいあなたのために、

 

アカペラのリードボーカルが特に注意すべきポイント

 

をまとめてみたいと思います。

アカペラのリードが下手に聞こえてしまうポイントは、大きく3つ

では早速ですが、 アカペラのリードが下手に聞こえてしまう人の共通点を3つあげます。

 

  • 音程が下がってしまう
  • 滑舌が悪い
  • リズム感がない

 

この3つです。

 

それぞれ詳しく見ていきましょう。

音程が下がってしまう

まずは音程の問題。

 

アカペラでは歌っているうちに、音が下がってしまう人が非常に多いです。

 

よくあるのは、高い音を出さないといけない時に、きちんと上りきれずに、それ以降微妙に音が低くなってしまうというパターン。音が下がってしまうと、響きが暗くなってしまうので、それだけで少し下手に聞こえてしまいます。

 

コーラスはもちろんそうですが、リードも必ずピッチを確認するようにしましょう。特に、下降音階(ドレミファソラシドではなくドシラソファミレドのほう)が苦手な人は要注意。下がっていく途中もですし、最終的に着地するべき音に着地できず、低くなりすぎてしまう場合があります。

 

下降音階こそ、きちっと音程をはめて歌うことが大切です。

滑舌が悪い

これは意外と周りから指摘してもらえないポイントですが、アカペラのリードにおいて、滑舌はとても大切です。きちんと意識しましょう。

 

アカペラは、人間の声・言葉を使って、人を感動させる音楽です。

 

言葉を届ける

 

ということに関しては、他の楽器を使う音楽よりも、特に大切にするべきポイントだと思います。

 

“あいうえお”ひとつにとっても、ほとんど口を動かさずに歌う人もいれば、きちんとそれぞれの母音にあった口の形で歌う人もいます。

 

一度そういう視点で、YouTubeなどの歌手の映像を見てみてください。良いボーカリストは、みんなきちんと口を大きく開けて、滑舌よく歌っているはずです。

 

筆者的は、口の形が非常に分かりやすくて、”あ”には”あ”の、”い”には”い”の響きを感じやすい平井堅がおすすめです。

ウルフルズのトータス松本も、パワフルで歌詞が聞き取りやすいボーカリストの一人。真似してみるとわかるのですが、普段使っていないほっぺたの筋肉がめちゃくちゃ疲れます。

 

少し余談になりますが、役者さんに歌が上手な人が多いのは、発声の技術ももちろんそうですが、

 

滑舌や演技力、

 

つまり、

“言葉によって何かを伝える力”

 

が、非常に強いからではないかと思っています。

 

きちんと言葉が届いてくる歌は、聴いている人にとって非常に心地よく、それだけでも少し歌がうまく聞こえます。アカペラのリードも、歌に想いを乗せて、人を感動させる、という点では同じですよね。

 

ぜひ一度、自分の歌を録音して自分で聴いてみてください。聞き取りづらいところがあったら、要注意です。

リズム感がない

3つ目のポイントは、リズム感です。

 

一つ勘違いしないでいただきたいのは、リズムとテンポは別物、ということ。ただ単に同じテンポで歌い続けられることは、リズム感があることとは関係ありません。

 

では、リードボーカルにおける”リズム感”とは一体何なのか。

 

答えは、“強弱”と”キレ”です。

 

強拍・弱拍を感じながら歌う

音楽には、強拍と弱拍というものがあります。

 

詳しい説明はここでは 割愛しますが、例えば日本の曲であれば1・3拍目が強拍、ロックやブラックミュージックは2・4拍目が強拍といったように、それぞれの曲のジャンルごとに、強く際立たせるべき拍と、そうでない拍があります。

 

大雑把ではありますが、手拍子を打ったときに、しっくりくるほうが強拍と思ってもらえば、概ね間違いないでしょう。

 

盆踊りや演歌は、1・3拍目に手拍子を打つのが自然です。でも、ビートルズの曲では、1・3拍目より2・4拍目に手拍子したくなりませんか?

 

この感覚の違いを感じながら、歌えるかどうかが、リードボーカルにおける”リズム感”の有無に直結します。

 

ただ歌いたいように歌うのではなく、強拍と弱拍を感じながら、なんだったら体もそれに合わせて動かしながらリズムを感じて歌えるかどうか、が非常に大きなポイントです。

 

ぜひ一度、身体の力を抜いて、どこが強拍でどこが弱拍なのかを感じながら歌ってみてください。いつもと違った聞こえ方になるはずです。

 

歌い始め+歌い終わりを意識してキレを出す

そして、リズム感におけるもうひとつのポイントである”キレ”。これは、”音の切り際“、”フレーズの処理の仕方“のことです。

 

アカペラのリードボーカルの中に、それぞれのフレーズの音の処理の仕方が一曲通してすべて同じという人がいますが、(よくあるのは、常に伸ばし続けてしまうパターン)

 

それだと、歌がのぺ~~っとして、キレが悪く聴こえてしまいます。

 

まずはプロアーティストのフレーズの処理の仕方を研究して、徹底的に真似してみましょうだら~と全部伸ばしてしまうことが多かった人なら、少しキレが増すだけで、リズム感も出て、かっこよく聴こえるはずです。

 

ぜひ一度やってみてください。

改善するには、とにかく真似する

ここまで、アカペラのリードが下手に聴こえてしまう人の共通点、ポイントを見てきました。

 

ここからは、

リードが下手なのは、言われんでもわかってるねん!どうやったら上手くなれるんか教えろや!

 

というあなたのために、とっておきの改善策をご紹介したいと思います。

 

やることはシンプル。プロアーティストの歌い方を徹底的にパクる(真似する)こと。

 

物まねタレントになる必要はありません。声を真似するのではなく、いくつかのポイントを研究して、真似して、自分が歌う際の引き出しを増やしていくことで、リードボーカルは確実に上手くなることができます。

ブレス(息の吸い方)を真似する

まずはブレス。

 

ブレスを制すものは、歌を制す、といっても過言ではありません。

 

良いボーカリストは、

 

絶対に!

ブレス、すなわち”息づかい”が上手いです。

 

とにかくたくさんのアーティストの息づかいを真似して身に付けましょう。

 

自分がリードを担当する曲が決まっているなら、その曲の原曲をとにかく聞いて、

 

  • どこで息を吸っているのか
  • どれくらいの量吸っているのか
  • 息を吸うときに、音はしているのか、していないのか
  • 一拍かけて吸っているのか、半拍で素早く吸っているのか や、

 

曲の中で

  • 息をたくさん吐きながら歌っている箇所はないか
  • 逆に息の漏れを極力なくして歌っているところはないか
  • 途中で息の量が変わっていないか

 

等々、とにかく息づかいを徹底的に研究しましょう。

 

それだけで確実に歌は上手くなります。

音量のペース配分を真似する

前述の息づかいをマスターすると、同時に出来るようになることもあるのですが、

 

曲全体の音量バランスを確認しましょう。良いボーカリストは、大きく歌うことと同じくらい、小さく歌うことが出来ます。

 

一曲通して、とにかくずっと力いっぱい歌ってしまう人もいますが、こちらもやはり原曲をしっかりと研究して、曲の中で音量がどのように変わっているかを確認しましょう。

 

ブレスの研究と一緒にやるのがいいと思います。

 

おそらく、サビの直前など大きく歌う前は、大きく息を吸っているはずです。

言葉と表現を真似する

最後は”言葉”について。繰り返しになりますが、僕はアカペラにおいて言葉は非常に大切だと思っています。そして、言葉がきちんと心に届く歌手が好きです。

 

口の形や、響かせ方(これはめっちゃ難しいので、あまりおすすめは出来ないかも…挑戦してみてください)や、子音の強さや言い方、そして、これは感覚になりますが「心の込め方」も注意して聴いてみてください。

 

良い歌、良い歌詞は、伝えたいメッセージやフレーズを中心に構成されていて、そのフレーズに向かって音楽が展開していきます。

 

例えば、スガシカオいわく、”夜空ノムコウ”は

 

「あの頃の未来に、僕らは立っているのかなぁ…」

 

のために歌っているらしいです。ぜひ一度、そんなことを考えながら歌を聴いてみてください。きっともっと心を込めて歌いたい!もっともっと歌がうまくなりたい!って思うようになると思いますよ。

 

▼参考音源:夜空ノムコウ(スガシカオ)

まとめ

いかがでしたか。今なら、前よりも少し上手く歌えるような気がしませんか?

 

それでは本記事のまとめです。

  • アカペラのリードは、音程、滑舌、リズムに注意
  • とにかく原曲を真似る
  • その曲が伝えるべきフレーズを見極めて、心を込める

 

筆者はメインのパートは、ボーカルパーカッションです。普段リードを取ることは、そう多くはありません。ただ、たくさんのアカペラのライブを見て、色んなボーカリストと一緒にステージに立つうちに、

 

カラオケ的な歌が上手いことと、アカペラのリードが上手いことは、必ずしも一致しないということに気がつきました。両者の決定的な違いは、相手に想いを届けようとしているかどうか。

 

アカペラのリードが上手い、というのは、“相手に想いが届く歌を歌える人”だと思うのです。

 

本記事では、アカペラのライブで「楽しかったよ。歌、上手いね!」と言ってもらえるようなリードになるために注意したいポイントについてまとめてみました。

 

ぜひ一度、自分の歌を振り返ってみてください。そして、こうすれば想いが届く!と気づいた時には、ぜひ僕にもそのノウハウを教えてください。

 

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ABOUT ME
しげ(ボーカルパーカッション)
学生時代からアカペラサークルで活動し、ライブ企画やイベントスタッフを経験。「歌がうまい=モテる」への反骨精神(アンチテーゼ)から、ライブパフォーマンスやステージングの研究を始める。ライブ演出・ステージングのネタ、プロアーティストのワークショップなどで得たおもしろ練習法を発信しています。

おたべブログでは、アカペラが楽しくなるようなアイデアを発信しています。

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