【初心者向け】ベースの役割を徹底解説! – アカペラのベースって何してるの?

アカペラのパートの中で、最も低い音域を担当するベースボーカル。
すべてのグループに必ずいるパートですが、何をやってるかよくわからないとか、良い悪いの判断がつかないなど、意外とよく知られていないパートですよね。
こんにちは、しげです!
この記事では、ベースがアカペラにおいてどのような役割を担っていて、どんなポイントに注目するとよいのかについて解説しています。
目次
この記事で書いてあること
- ベースは、和音を決める根音(ルート音)を歌う重要なパート
- 曲のリズム・グルーヴをリードし、自然に体が動きたくなる感じを作る
- 時に主旋律を担当し、最も目立つ&美味しいパートにもなる
それでは、いってみましょう〜!
アカペラのベースの役割①:和音(コード)を決める
アカペラといえばやっぱりハモリ。
カラオケでやるような二人のハモリだけではなく、コーラス隊がそれぞれの音を重ねてつくる和音・ハーモニーは、やはりアカペラの醍醐味だと言えると思います。
そんな和音を決める音を、根音(ルート音)といいます。
例えば、
C(ドミソ)の和音でいうと”ド”の音が根音です。
G(ソシレ)の和音なら、”ソ”の音が根音。
F(ファラド)の和音なら、”ファ”の音が根音となります。
和音についての詳しい説明は割愛しますが、ベースは基本この根音を歌っているのです。ベースがドを歌っていればCの和音ですし、ソの音を歌っていればGの和音ということになります。
ベースは、和音を決める根音(ルート音)を歌う重要なパート
ちなみに、上の例ではわかりやすいように、ドレミで説明しましたが、練習中にドレミファソラシドではなく、アルファベットで呼ぶ人、周りにいませんか?
実はこれらにはきちんと定義的な違いがあるんです。詳しくは以下の記事にまとめています。興味があれば、見てみてくださいね!

一拍目は根音(ルート音)を
ベースひとりがその音を歌えば、和音が決まるってすごくないですか?
ハモって聞こえるとは言いませんが、しっかりと歌っていれば、ベースとリードだけでも充分かっこよく聞こえます。それくらいベースは、和音を左右することができるんです。
特に一拍目!
一拍目は、ベースは必ず根音(ルート音)を歌います。和音の変わり目、音楽の節目はベースがバチッとルートの音を鳴らすのです。
きれいな音の流れは、それだけで十分人を感動させます。
ぜひ一度いつもやっている楽曲も、ベースの一拍目に注目して聞いてみてください。良いベーシストは、一拍目にきちっと正確な音を鳴らしているはずです。
きちんと歌えていれば、リードとベースだけでも十分かっこいい。特に、一拍目は大事
アカペラのベースの役割②:リズムを決める
続いてはリズム。ひとつ勘違いしないでいただきたいのは、”リズム”と”テンポ”は別物であるということです。
- テンポは、曲のスピード
- リズムは、抑揚やノリ・グルーヴ
ベースは、テンポよりも「リズム」を引っ張っています。
リズムにもジャンルがある
リズムについては、ここですべてを説明できるほど簡単な世界ではありませんし、僕もそんなことできません。
代わりに「音楽のジャンル」と「リズム」の関係について、興味を持ってもらえそうな動画を紹介したいと思います。
例えば ”ロック” ”JAZZ” ”R&B(リズム&ブルース)”などが「音楽のジャンル」なのですが、
それぞれに、8ビート、16ビートなど特徴的なリズムが存在します。
知識として色々なことを知っているほうが、曲を聞いたときに色々な視点で、その曲を聴くことが出来るので、メリットが多いことは、もちろん間違いないのですが、
大切なことは、このジャンルならこのリズム、あのジャンルならあのリズムということを覚えることではなく、
この曲はなんかこんな感じ!
と、リズムにも興味を持つこと。
それだけでも、音楽の聞こえかたは大きく変わります。
というわけで、ひとつ動画を紹介します!ドラムの歴史についての動画なのですが、とてもわかりやすく、様々なリズムを聴くことが出来ます。
確かに言われてみれば、こんな感じの曲聞いたことある!
と、感じてもらえれば十分です。
ジャンルによって、それぞれ特徴的な「リズム」が存在する。ベースはそれのノリ・グルーヴで音楽を引っ張るパート
アクセントの位置をコントロールする
ノリやグルーヴに関しては、ベースやドラムだけでなく、 コーラスやリードボーカルだって、同じリズムを感じながら歌う必要がありますが、特にベースとドラムのリズムが崩れてしまうと音楽全体が崩れかねません。
ベース&ドラムは「この曲はこんな感じ!」を決める重要な役割を担っているのです。
ポイントは「アクセントの位置」
リズムには必ず強拍と弱拍があります。強拍にあたる部分がアクセントの位置です。ドラムだとスネアドラムが鳴っているポイントが強拍である場合が多いです。
強拍にあたる拍がきちんと”強く”歌われていると、その音楽はとてもノリがよく聴こえ、自然に体が動きたくなる感覚を覚えます。
”拍が強いこと”と”音量が大きいこと”、は似て非なる別物ですので注意!
良いベースは、強拍と弱拍がハッキリしていて、この曲はこんな感じ!!というのを、理屈抜きで感じることが出来ます。
実際に自分たちが歌うときには、強拍の拍は、”丁寧に歌う””はっきり歌う”という意識で歌うと良いと思います。
スキャット(シラブル)を変えてみるのも良いかもしれません。例えば、”ドゥン”よりも、”バ”や”ベン”のほうが、ハッキリ聞こえますよね。
色々試しながら、この曲のリズムはこんな感じ!という”感じ”を出せるように工夫してみてください。
アクセントの位置をコントロールして、強拍にあたる拍がきちんと強く歌うことで、ノリがよく聴こえ、自然に体が動きたくなる感じを作る
アカペラのベースの役割③:主旋律になる瞬間もある
ベースは、時にメインになることもあります。
例えばスタンド・バイ・ミーは、イントロのベースラインが印象的ですよね。メロディとは言いませんが、あのラインを聞くだけでなんの曲かすぐにわかります。
他にも、The Real Groupが歌うBadなどは、一番美味しいポイントをベースパートが担っています。
縁の下の力持ちだけでなく、美味しいところをかっさらうことも出来るパート、それがベースです。
せっかく目立つポイントがあるからには、きっちり目立ちましょう。スタンド・バイ・ミーのイントロが、恥ずかしそうに聞こえてきたら、どんなに良いボーカルでも台無しになってしまいます。
目立つときは目立ち、支えるところは支える。
やるべきことをきちっとやるベースは、知れば知るほど奥が深いですよね。
時に主旋律を担当し、最も目立つ&美味しいパートにもなりうる
参考音源:最強のベーシスト”ビクターウッテン”
こちらはアカペラではないのですが、ぜひ紹介したいベーシストがいます。
ビクターウッテンです。
僕は、この人のベースもですが生き方や考え方、哲学が大好きです。
ぜひ一度見てみてください。ソロを取り続ける圧巻のパフォーマンスは、あなたのベースのイメージを覆すこと間違いなしです!
おわりに
最後に、僕が考える”良いベーシスト”について簡単に触れてみたいと思います。
僕が考える”良いベーシスト”は、
自分がその曲をどうしたのかを主体的に考えて、それを表現しようとするベーシスト
です。
ここまでベースがアカペラにおいて、どのような役割を担っているのかを見てきました。
- 和音(コード)を決める
- リズムを決める
- 主旋律になる瞬間もある
和音・リズムを引っ張り、時に主旋律を担当するベースであるからこそ、それらすべてに興味を持てる人であり、楽しめる人でなければなりません。
興味がないのに、メンバーを引っ張れますか?
自分はこうしたい!という想いもなく、音楽を引っ張れますか?
実際にそれを表現できるかどうかは、技術力に関わりますから、時間もかかるし、僕は人の技術をどうこう言えるような大それた人間ではありません。
でも、何かやりたいことがある音なのか、楽譜に書いてあるから出している音なのかは、鳴っている音や歌い姿を見ればある程度わかります。技術や表現で足りないところは、メンバーで補い合えばいいのです。
まずは「自分がその曲、音楽をどうしたいのかを考える」
そんなベーシストこそが、”良いベーシスト”といえるのではないかと思います。
ぜひ一度、自分たちが歌う曲について、どうしたいのかを考えて歌ってみてください。きっとグループ全体の音楽が変わってくると思いますよ!
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ベースが担当する3つの要素「和音」「リズム」「主旋律」というのは、音楽を構成する3要素「ハーモニー」「リズム」「メロディ」と同じです。
https://otabe-acappella.com/what_acappella2/
ベース以外のパートについては、こちらの記事でも触れています。
https://otabe-acappella.com/acappella_6part/
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。