アカペラの始め方

アカペラってどうやるの? – 音楽を構成する3大要素と各パートの関係

本来楽器が担当するはずの伴奏を人の声だけで表現するアカペラ。

 

楽器を使わないが故に制限も多い印象があると思いますが、人の声だからこそ出来ることもたくさんあります。

 

歴史は浅くも、奥は深い音楽。それがアカペラ。

 

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こんにちは、しげです!

 

この記事では、音楽を構成する3要素を参考に、アカペラがどうやって音楽を作っているのかを、各パート毎の役割と一緒に見ていきたいと思います。

 

音楽を構成する3要素

アカペラは、大きく3つの要素で構成されています。

  1. メロディ
  2. ハーモニー
  3. リズム

 

アカペラに限らず、音楽は基本的にこの3要素で成り立っているとされています。厳密には、メロディのない音楽もあるし、ハーモニーがない音楽も存在しますが、”基本的には”この3要素が存在ます。

 

例えば、ギターの弾き語りを見てみると、

  • ボーカル=メロディ
  • ギターの和音(コード)=ハーモニー
  • ギターの弾き方(右手のじゃかじゃか)=リズム

 

このように3要素が重なり合って出来ています。

 

楽器のバンドなら、

  • ボーカル=メロディ
  • キーボード=メロディ×ハーモニー
  • ギター=メロディ×ハーモニー
  • ベース=リズム×ハーモニー
  • ドラム=リズム

 

こんなイメージです。

 

アカペラでも同じように、この3要素をそれぞれいくつかのパートに分け、補完しあうことで音楽を成立させます

 

それでは、その3要素とパートの関係を見ていきましょう。

アカペラの構成要素① メロディ担当リードボーカル

一般的な楽器バンドでいうメインボーカルが「メロディ」にあたる部分です。主旋律ともいいますね。

 

アカペラでは、「リードボーカル」とか、略して「リード」ということが多いです。

 

このパートは、メインボーカルというだけあって、いわゆる”歌がうまい人”が担当していると思われがちですが、実際はそんなこともありません。歌がうまくなくたってリードをしてもいいんです。上手いだけが魅力ではないし、精一杯頑張って歌っている姿は、それだけで人を感動させることが出来ます。

 

また、アカペラ用語では「リードを回す」と言ったりするのですが、楽器がないからこそ、曲の途中でメインボーカルを入れ換えることが出来るのもアカペラの魅力のひとつです。

 

ぜひリードにも挑戦してみてください。

アカペラの構成要素② ハーモニーを作るコーラス隊

バンドの中で楽器を弾いているメンバーは、「ハーモニー」にあたる部分を担当しています。「ハモる」の語源はここじゃないかと。ハモネプの”ハモ”も、ここからきてるはずです。

 

ハーモニーを作る…
ハーモニーる…
ハモる…みたいな。

 

そんなハーモニーを担当するのは「コーラス」パートの皆さんです。

 

小学校の合唱の授業で、ソプラノやアルトという言葉を聞いたことはありませんか?アカペラのパートも基本は同じ。呼び方こそ”ファースト”や”セカンド”という呼び方をすることもありますが、基本的には同じと思ってもらってかまいません。

 

 

「コーラス」は、メロディを歌うリードの後ろで、伴奏にあたるハーモニーを声だけで作ります。

 

実際に聞いてみるとわかるのですが、「うー」「あー」などの言葉や「ボーカルと同じ歌詞を音程違いで歌う(=字ハモ)」など、様々な手法を駆使して、音楽をより豊かにしていくのです。

 

▼参考音源①:ロビンソン(ゴスペラーズ)※1’10くらいから歌ってます

 

▼参考音源②:bad(the real group)

 

二つ目にご紹介しているグループは「the real group」という海外のプロアーティスト。グループの歴史も長く、アカペラ界では、根強いファンも多いです。その驚異的なコーラスワークと変態的な和音で聞く人を魅了し続けてます。個人的には、「Good Time」という曲のパフォーマンスが大好きです。

 

他にも色々な曲を歌っているので、ぜひYouTubeなどで探してみてください。

 

少し話がそれてしまいましたが、ボーカルのバックでハーモニーを作るのが「コーラス」です

 

楽器を弾きながらボーカルと2人でハモるのと、6人全員がせーの!で歌ってハモるのとでは、その分厚さやはまったときの充足感・多幸感はハンパじゃないです。

 

「私はここにいていいんだ!」という、とてつもない自己承認を得られます。

 

きっと脳内では何かしらの快感物質が出てるに違いありません!

しげ
しげ
知らんけどなw

アカペラの構成要素③ リズムの要ベース&パーカッション

最後はリズム。この部分を担当するのは「ベース」「パーカッション(ボイパ)」が主になります。

 

ハーモニー×リズム担当のベース

ベースパートは、それぞれのパートの中で一番低い音域を担当します。基本、楽譜はヘ音記号で書かれており、はじめはそれだけで取っつきにくい「ベース」。

 

しかし、個人的にアカペラのパートのなかで一番美味しいと思っているのがこの「ベース」というパートです。先に紹介しているbadでもベースが最高に美味しいですよね。

 

ベースは、ただ声が低いだけではなく、曲全体のグルーヴを一人で作り出せる超重要なパートです。詳しくはこちらの記事もご覧下さい。

リズム、時々装飾音(風とかスクラッチ音など)担当のパーカッション

続いてパーカッション。いわゆる”ボイパ”と呼ばれるパートです。

 

ボイパは、楽器バンドでいうところのドラムを担当しており、曲全体のリズムやグルーヴを作るパートと言われています。

 

”ボイパ”という言葉は、実はハモネプが作った造語で、世界ではボーカルパーカッションと言ったり、人や地域によって呼び方はバラバラらしいです。

 

▼参考音源③:北村嘉一郎

 

世界的ボーカルパーカッショニスト北村嘉一郎さんの動画です。世界でも嘉一郎さんと同じ出し方をする人はいないと言われるほどの偉大なパーカッショニストです。世界で活躍されています。

 

一見、特殊技能であるボイパ。確かに学校で習うこともないし、やってみたらいきなり出来ちゃった、みたいな話は僕は聞いたことはありません。

 

しかし、練習すれば必ず出来るようになります。

 

むしろ問題なのは、出来る出来ないではなく「人前でやるのが恥ずかしい!勇気が出ない!」ということ。この最初のハードルさえ乗り越えれば、必ず誰でも出来ます。

 

それに、アカペラの中で唯一”音感”が必要ないのがこのパーカッションパート。なにを隠そう僕も根っからの音痴だったがために、このパーカッションパートを選びました。

 

歌が苦手・音感が弱いからといって、アカペラを諦める必要は全くありません。

 

というか、そもそも教会で神様(キリスト)への感謝を表現するために生まれた音楽」が派生したのが”アカペラ”という音楽です。歌が下手なだけで、神様に感謝してないことになるなんておかしいですよね。

各パートが重なり合って音楽を作る

さて、これまで音楽の3要素とそれぞれのパートの役割を見てきました。

 

  • メロディ=リード
  • ハーモニー=コーラス
  • リズム=ベース、パーカッション

 

では、それぞれのパートがどのように絡み合って音楽を作っているのでしょうか。

 

基本的に、アカペラはそれぞれのパートが重なり合うことで出来ています。

 

例えばケーキは「スポンジ」「クリーム」「イチゴ」で出来ていますね。

 

アカペラも同じように、

  • イチゴ=リード
  • クリーム=コーラス
  • スポンジ=ベース、パーカッション

 

というように、それぞれがそれぞれの役割を全うすることで、全体が出来上がっていくのです。

 

「スポンジ+クリーム(=リズム+ハーモニー)状態」のケーキに「イチゴ(=メロディ)」を乗せるようにベースとコーラスが作ったリズム・和音に、リードが乗っかることで、アカペラは出来ているのです。

 

改めてアカペラ曲の映像で確認してみましょう。それぞれの音が重なって、美しいハーモニーを奏でています。

 

ちなみに、なぜベースの上にリード・コーラスが乗るのかというと、和音には、根音(ルート音)と呼ばれる核になる音があるのですが、その音を歌うのは基本的にベースが担当しているからです。

 

「ベースがこの音を歌っているから、コーラスのみんなはこの音を歌ってねー」

「ベースがこのリズムで歌っているから、みんなもこのリズムで歌ってねー」

 

と言うと、イメージしやすいでしょうか。

 

どの人がどの音を歌うかというのは、それぞれ音楽的なルールに則って決まるわけですが、ベースが決めた和音(コード)の音をコーラスの皆さんが歌うことで、ハーモニーが生まれているんですね。

まとめ

それでは、本記事のまとめです。

  • アカペラは、「メロディ」「ハーモニー」「リズム」で構成されている
  • いくつかのパートに分けて、この3つを補完しあって出来る
  • ベース&パーカッションのリズム+コーラスのハーモニー+リードのメロディ

 

ちなみに、最後にご紹介した「ベースとコーラスが作ったリズム・和音に、リードが乗っかる」に関しては、様々な意見がありまして、

 

しげ
しげ
乗せるんじゃない、溶かすんや!

という人もいれば、

 

しげ
しげ
アカペラではメロディもハーモニーの一部よ!

という人もいます。

 

僕には正解はわかりません。強いていうならまだその答えを出すには、アカペラの歴史は短すぎると思っています。

 

ピアノやオーケストラは長い歴史を経て、いくつかの型が出来て、これをクラシックとする、というある種の正解のようなものがみえてきているんではないかと思っているのですが、アカペラはまだまだ新しい音楽です。

 

特にコンテポラリーアカペラと言われるような最近のアカペラは、まだまだ出来立てのジャンル。むしろ今の私たちの試行錯誤がこれからの歴史のスタンダードになる可能性だってあるんじゃないかと思っています。要は、全部正解なんだろうな、と。

 

”アカペラ”はそんな無限の可能性に溢れている音楽なのです。

 

本来様々な楽器を使って表現するはずの「メロディ」「ハーモニー」「リズム」を人の声だけで表現する難しさ、楽しさは、一度味わってしまったらきっと一生やめられないことでしょう。

 

そんなアカペラ、ちょっとやってみたくないですか?

 

ABOUT ME
しげ(ボーカルパーカッション)
学生時代からアカペラサークルで活動し、ライブ企画やイベントスタッフを経験。「歌がうまい=モテる」への反骨精神(アンチテーゼ)から、ライブパフォーマンスやステージングの研究を始める。ライブ演出・ステージングのネタ、プロアーティストのワークショップなどで得たおもしろ練習法を発信しています。